プラズマ遺伝子導入装置LINACYTE 3MC

LINACYTE 3MCの分子導入原理

Features

これまでの遺伝子導入法とは
異なる
細胞が遺伝子を能動的に
取り込むメカニズム

01高い遺伝子導入効率

LINACYTE 3MCは、高い遺伝子導入の成功率と細胞生存率の両立を実現しました。従来の方法では導入効率を高めようとすると細胞損傷が増える課題がありましたが、本製品は独自技術により生存細胞率を維持しながら高効率な導入を可能にします。生存率80%以上を維持した場合、導入効率は50%以上、細胞によってはさらに高い割合で導入することが可能です。

導入効率最大92%

02高い安全性

マイクロプラズマ技術は、従来のエレクトロポレーションやリポフェクションと比較して、ランダムインテグレーションのリスクを大幅に低減することができます。GFPを発現させた25日後の輝度はエレクトロポレーションの約97分の1、リポフェクションの約41分の1と非常に低く、安全性が格段に向上しています。この特性により、細胞や組織に対するダメージを最小限に抑え、遺伝子導入の効率を確保しながら、研究の精度と信頼性を高めることが可能です。

ランダムインテグレーションのリスク最大1/97

03圧倒的なコストパフォーマンス

LINACYTE 3MCは特別な設備、高価な試薬は不要なため、低いランニングコストを実現しています。1ウェルあたりのコストは約83円と非常に経済的で、既存の研究環境で容易に導入できます。専用試薬としては、プラスミドと混合するためのバッファーのみが必要であり、シンプルかつ効率的なプロセスを提供します。

1ウェルあたり約83円

04高速処理

LINACYTE 3MCでは、プラスミドの添加から導入プロセスの終了まで、わずか約13分で完了します。この短い処理時間により、96ウェルプレート全体を効率的に処理することが可能です。研究者にとって、この短時間での作業完了は実験の生産性向上に寄与し、特に大量サンプルを扱う場合でも迅速に結果を得ることができます。従来の方法に比べ、時間と労力を大幅に削減する点が大きな特長です。

導入プロセスの所要時間約13分
従来の遺伝子導入技術との比較
プラズマ法 汎用されている遺伝子導入方法
ウイルス・ベクター法 リポフェクション法 エレクトロポレーション法
遺伝子の導入効率
○
高い
○
高い
-
高い~低い
(細胞による)
-
高い~低い
(細胞による)
細胞障害性
◎
エンドサイトーシスにより
導入されるため非常に低い
○
低い
△
中程度
×
高い(細胞死)
操作性など
○
操作は簡便
熟練者は不要
△
操作は熟練者
○
操作は簡便
○
操作は簡便
副作用
○
ゲノムインテグレーションがされないため副作用が起こらない
△
発癌、免疫異常などの可能性
-
不明
(人で未使用のため)
△
発癌、免疫異常などの可能性
対応する細胞腫 非増殖性の細胞
(血球系や初代培養細胞へも導入可能。70種類以上の細胞で導入が可能)
ウイルス種により
遺伝子導入できる細胞が限定される
増殖性株化細胞
(血球系や初代培養細胞では導入が低い)
生体には不適応
増殖性株化細胞
(血球系や初代培養細胞では導入が低い)
生体には不向き
その他 短時間で実験が完了 制限された施設が必要
(P2レベル以上)
細胞毒性が高い
試薬価格が高価
大量の細胞が必要
部品や試薬価格が高価
導入実績細胞リスト

黄:上皮 青:浮遊 赤:繊維芽 緑:神経芽
紫:Primary、幹細胞、その他

No. 細胞名 由来 由来組織
1 HepG2 ヒト 肝臓
2 HuH7 ヒト 肝臓
3 FLS3 マウス 肝臓(胎児)
4 L alpha マウス 結合組織
5 MG-63 ヒト
6 Hela ヒト 子宮
7 MDCK イヌ 腎臓
8 HEK293 ヒト 腎臓(胎児)
9 HSC-3 ヒト
10 SAS ヒト
11 CaCo-2 ヒト 大腸
12 A375 ヒト 皮膚
13 G361 ヒト 皮膚
14 HSC-5 ヒト 皮膚
15 CHO-K1 ハムスター 卵巣
16 DD762 マウス 哺乳器
17 HCC1937 ヒト 哺乳器
18 PANC-1 ヒト 膵臓
19 T24 ヒト 膀胱
20 BJAB ヒト 末梢血
21 Jurkat ヒト 末梢血
22 K562 ヒト 末梢血
23 MOLT-4 ヒト 末梢血
24 THP-1 ヒト 単球
25 RAW ヒト 単球
26 U937 ヒト 単球
27 TK6 ヒト 血球、リンパ系
28 EOL-1 ヒト 好酸球
No. 細胞名 由来 由来組織
29 L6 ラット 筋組織
30 L マウス 結合組織
31 L-929 マウス 結合組織
32 COS-7 ミドリザル 腎臓
33 3T3L1 マウス 胎児
34 NIH 3T3 マウス 胎児
35 Lu99A ヒト
36 SF-TY ヒト 皮膚
37 Mewo ヒト 皮膚リンパ節
38 MC3T3-E1 マウス 頭蓋
39 COLO201 ヒト 結腸
40 Hu09 ヒト
41 MBT2 ヒト
42 PC-12 ラット 副腎
43 GOTO ヒト 神経
44 SH SY5Y ヒト 神経
45 線維芽細胞 ヒト 皮膚
46 HDF ヒト 皮膚
47 NHEM ヒト メラノサイト
48 Huvec ヒト 血管内皮細胞
49 Tic ヒト iPS細胞
50 ACS ヒト 脂肪幹細胞
51 HaCaT ヒト 皮膚角化細胞
52 星状細胞 ヒト iPS細胞
53 ニューロン ヒト iPS細胞
54 神経細胞 ラット 神経
55 MS5 マウス 骨髄間質細胞
       
製品仕様
LINACYTE 3MC
寸法 360mm(奥行) × 340mm(幅) × 260mm(高さ)
重量 ~9.8kg
国内 100V, 50/60Hz 11W
海外 100-240V, 50/60Hz 11W
対応プレート 96ウェルプレート(当社推奨のものがあります)
対応細胞 動物細胞等
一度に処理可能な細胞数 ~300万細胞/プレート(細胞種による)
特許番号 特許第6189019号
製品アクセサリ
遺伝子導入バッファー条件検討キット LINAmix AD Buffer OptKit
接着細胞用6種類(LINAmix N-kp / N-xz / N-jf / N-ql /N-ry / N-mt Buffer)
LINAmix SU Buffer OptKit
浮遊細胞用6種類(LINAmix N-ry / N-mt / N-vd / N-bg / N-nc / N-hw Buffer)
遺伝子導入バッファー LINAmix N-kp Buffer
LINAmix N-xz Buffer
LINAmix N-jf Buffer
LINAmix N-ql Buffer
LINAmix N-ry Buffer
LINAmix N-mt Buffer
LINAmix N-vd Buffer
LINAmix N-bg Buffer
LINAmix N-nc Buffer
LINAmix N-hw Buffer
プレート 弊社推奨の96ウェルプレートがございます。詳細については、お問い合わせください。

※バッファーは特注品にも対応いたします。

よくあるご質問
プラズマ遺伝子導入装置とは何ですか?
プラズマ遺伝子導入装置は、プラズマ放電を利用して細胞に遺伝子や分子を導入する技術です。
特殊な試薬やウイルスを必要とせず、迅速かつ効率的に遺伝子導入を行えることが特長です。
なぜプラズマを使用するのですか?
プラズマはエンドサイトーシスを誘発して細胞を取り込むことが確認されています。
これによりより自然に近い分子の取り込みを行います。
この装置の主な利点は何ですか?
主な利点は以下の通りです:
高い遺伝子導入効率
高い安全性
圧倒的コストパフォーマンス
高速処理
他の遺伝子導入方法(電気穿孔法、リポフェクション法など)と比べた際の違いは何ですか?
他の方法と比較して、当装置は低いコスト、短時間、高い細胞生存率、広い適用性を持っています。
ウイルスベクターや化学試薬を必要としないため、実験の柔軟性が向上します。
使用可能な細胞の種類を教えてください。
HEK細胞、L929細胞、CHO細胞などの接着性細胞をはじめ、浮遊細胞、プライマリー細胞にも対応可能です。
詳細についてはお問い合わせください。
細胞に対するダメージはありませんか?
細胞毒性は低く、従来の方法に比べて細胞の生存率が高い結果が得られています。
ただし、細胞の種類や条件によって異なるため、詳細は実験前にご確認ください。
特殊な試薬や消耗品は必要ですか?
いいえ、特殊な試薬や高価な消耗品は必要ありません。通常の培養プレートをそのまま使用できます。
遺伝子導入プロセスにはどれくらいの時間がかかりますか?
1回のプロセスは1プレートあたり約13分程度で完了します。
装置の操作は難しいですか?
いいえ、操作は非常に簡単で、特別な技術や経験は必要ありません。基本的な操作手順をマニュアルに記載しています。
装置のメンテナンスは必要ですか?
通常は定期的な清掃と点検のみで十分です。
購入前に試用は可能ですか?
はい、デモンストレーション用の装置をご用意しております。詳細はお問い合わせください。
装置の価格や導入費用について知りたいです。
装置本体価格298万円(税込価格327万8千円)、専用試薬1本(96ウェルプレート5枚分)8千円(税込価格8,800円) 。
お見積もりをご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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